最近、友人の投資相談を受けることが増えています。
その際、必ずといっていいほど聞かれるのがiDeCoと新NISA。
結局、何がどう違うのか?どっちがお得なのか?
結論から言うと、人それぞれなのですが、一例として筆者はiDeCoやってません。
それはなぜか?細かい点を語っても仕方ないので、今回は、メリット・デメリット、ポイントを絞って説明します。
既にご存じの方も、おさらいとしてご確認いただければと思います。
iDeCoのメリット
iDeCo公式サイトには、iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリットとして以下が記載されています。
(出所:iDeCo公式サイト)
それぞれについて、新NISAと比較してみます。
1.掛金が全額所得控除→新NISAには無い。iDeCoのメリット。
2.運用益も非課税で再投資→新NISAと一緒。配当が強制的に再投資されるのはデメリット。
3.受け取るときも大きな控除→新NISAはそもそも受け取りで税金かからないので、一緒。
まとめると、iDeCoは掛け金、すなわち投資額分が所得から差し引かれ、所得税が安くなるのが最大のメリットです。
どれくらい安くなるかは、個々の年収によりますが、以下をもとに考えてみます。
(出所:iDeCo公式サイト)
例として、サラリーマン、主婦の方。掛け金はケースにより異なりますが、最大で年間27.6万円です。
MAXでiDeCoを活用したとすると、最大27.6万円分の所得が低くなります。所得が低くなると、年収が低くなったのと同様に所得税が計算されるので、安くなります。
節税額は年収によりますが、年収500万円だと、MAXで年間55,200円の節税なので1つの目安になると思います。
年収が高いほど節税額は多くなり、低いほど少なくなります。
ただ、この「節税」というのには注意が必要です。
上記の例で実際のお金の動きはどうなってるか見ますと、今年27.6万円を払って5.5万円の節税なので、差し引き22.1万円を払っています。そして、元の27.6万円は増えているでしょうが、受け取りは60歳以降です。
つまり、60歳までは実質的に自分のものでない(引き出せない)以上、結局のところ現在のお金は節税額以上に失っているという見方もできます。
このように、単純に現在の手取りが増えるという意味での「節税」ではない事には注意です(もちろん、老後も含めた人生トータルで見ると節税になります)。
節税ばかり追い求め、本来の目的を見失わないよう気をつけたいところです。
iDeCoのデメリット
iDeCoのデメリットはいくつかありますが、新NISAと比較したとき、重要なのは以下の2点だと考えます。
- 原則60歳まで引き出せない
- 手数料がかかる
原則60歳まで引き出せない
まず、60歳まで引き出せない資金拘束性は最大のデメリットであり、筆者がiDeCoをやらない理由です。
FIRE・セミリタイア目的など、若年時のインカムゲインの最大化を目指す場合、60歳まで引き出せないものに投資すれば、現在必要とするお金を失っているに等しいからです。
筆者は使い道の多い若い時期のお金を失ってまで、老後のお金を増やしたいとは思っていません。
また、60歳までに死亡した場合、相続はあるものの自分自身は丸損になってしまうのも気になります。
新NISA枠を使って単純に資産形成し、配当金を受け取るようにしておけば、少なくとも丸損は避けられますし、配当金という不労所得があることによる精神的安定も享受できます。
ただ、完全に60歳以降の老後資金目的と決まっている方にとっては、本件はデメリットではありません。
手数料がかかる
楽天証券によれば、以下の手数料がかかります。
(出所:楽天証券)
国民年金基金連合会、信託銀行に支払う手数料は、証券会社に関わらず一律でかかります。
掛け金MAXでやる場合はそれほど気にならない額ではありますが、新NISAにはこのような手数料はかからないので、iDeCoの明確なデメリットです。
手数料は少ないに越したことはありません。手数料も複利でジワジワと投資リターンに影響を与えますので。
掛け金控除の節税メリットと見比べて、この手数料をどう考えるか、というところでしょうか。
まとめ
以上、iDeCoの、新NISAと比べたメリット・デメリットを見てきました。
まとめると、以下の方にはiDeCoが合っていると考えます。
- 60歳以降に使う老後資金目的で投資する人(60歳までの資金拘束性がデメリットにならない)
- 年収が高い人(節税メリットが大きくなる)
- 配当金は要らない人(iDeCoは配当金が受け取れない)
これと逆方向の方には、まずは新NISA枠を活用して投資を行うことをお勧めします。
一番大きいのは、投資の目的だと思います。
単純には、老後を豊かにしたいならiDeCo、直近を豊かにしたいなら新NISAです。
ご参考になりましたら幸いです。
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