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「関税・米中対立の行方」感想 日本の先行きは悪くない?

思った事・感想
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こんにちは、あらおです。

先日、関税や米中対立に関するNHKスペシャルを視聴しました。

NHKスペシャル 米中対立 日本の“活路”は

関税に関して米国、中国、日本等とそれぞれの立場から取材しており、興味深かったです。

米中対立については市場にも中長期的に影響を与える事象と考えますので、長期投資家もチェックしておくべきトピックかと思います。

では、以下感想です。

米中デカップリングはやはり構造的事象

まず、5/12、米中両政府は90日間関税を115%引き下げる共同声明を発表しました。

翌日、日経平均株価も直近の最高値をつけたのは記憶に新しいですね。

しかし同番組では、上記合意は自由貿易化への第一歩ではなく、一時的な小休止に過ぎないとの見方が示されていました。

上記同意は米国の直近での国内小売への配慮等が背景にあると解説されていましたが、いずれにせよ米中のデカップリング(分離)が構造的事象であるという主張には筆者も同意です。

まず、米国の立場からは、デカップリング・保護主義に進む以下の動機付けがあります。

  • 国内製造業の空洞化(中産階級の不満)→中産階級の雇用を国内に回帰させる
  • グローバル経済が中国を台頭させた→グローバル化を止め、中国の封じ込めを狙う

特に一点目については、米国の選挙の激戦州がラストベルトと呼ばれる廃れた工業地帯に多いことから、民主党政権に代わったとしても中産階級の声を無視できない点が示唆されていました。

すなわち、トランプが退陣したとしても米国の保護主義路線が維持される可能性があります。

また、短期的に関税政策が失敗したとしても、中長期的にしつこくトライしてくる可能性はあると考えます。

一方、中国の立場からも、米中デカップリングに進む以下の動機付けが指摘されていました(中国は米国以外との自由貿易を維持)。

  • 保護主義により米国の生産性が低下→米国の弱体化につながる
  • 米国が生産していた製品を中国で生産→中国の生産性は逆に向上する

実際に上記のように事が運ぶかは不明ですが、中国からすれば、米国が勝手に自滅するならやらせておこう、願わくば、世界経済から米国だけ締め出したいというスタンスでしょうか。

いずれにせよ、米中は互いを世界経済から締め出すのが理想的と考えていると思われます。

世界の保護主義化は企業の収益性を低下させる

グローバル化経済下ではざっくり言えば、企業は安い国で製品を作り、高い国で売ることで収益を最大化させていました。

しかし、世界が保護主義に向かえば、高い国で物を作らざるを得なくなります。

したがって一般論で言えば、平均して今後の企業収益は今までより低下することが考えられます。

同番組では、例として、アイリスオーヤマが生産拠点の一部を中国から米国に移し、生産拠点の分散化を進めている事例を紹介していました。

同様に、萩原工業も米国に工場を新設していましたが、募集しても労働者が集まらない様子が描かれていました(やはり人件費が高い)。

上記は一般論の通り、関税により企業が経済合理性の無い支出を企業が迫られていることを示しているといえます。

ただし、日本にはプラスの面も?

米中のデカップリングは、平均的には世界中の企業の収益性を押し下げると考えられます。

しかし、日本に限っては、以下のようなチャンスの面もある点も指摘されていました。

  • 中国陣営の国から日本国内に雇用・設備投資が回帰する
  • 日本は冷戦期と同様の立ち位置→冷戦期同様、米国が日本に有利な諸政策をとる可能性

一点目については、既にデータに現れ始めています。

(出所:2024年度設備投資計画調査

ここ数年、国内設備投資額は右肩上がり、既にコロナ前の水準を大きく超えています。

円安や相対的な人件費の安さも要因と考えられますが、米中デカップリングもこの流れを後押ししそうです。

構造的に製造業の比率が高い日本経済にとって、この流れは大きな追い風となると考えられます。

二点目はやや希望的観測も混じりますが、実際に冷戦期には、米国はドッジ・ライン、対日経済援助、安保条約等、日本の経済成長を促進する諸政策をとりました。

上記は日本をアジアにおける自由民主主義の防波堤にする目的で行わたものですが、米中対立のもと日本は再び防波堤としての利用価値が高まっています。

今回は相対的に米国の余力が低下しているという違いはありますが、米国が日本にアメを与えるインセンティブはあると思います。

このような地政学的背景から、バブル期ほどはないにしても、失われた30年(グローバル経済だった)を越え日本に再び好景気到来のシナリオもあるかもしれません。

(10年程度の長期的スパンでは、という意味です。短期的には米中対立の悪影響が考えられます。)

止まない雨は無い、はず。

まとめ

以上、米中デカップリングについての感想でした。

まとめると、以下の通りです。

  • 米中デカップリングは構造的事象に思われる
  • 保護主義化は一般的には企業収益を悪化させる
  • ただし、米中デカップリングは日本にはプラスの面もあり得る

個人的印象では、日本経済には長期的には、差し引きプラスの影響があると捉えています。

最近、個人的に日本株いいなーと思っている要因の1つでもありますね。

日本は冷戦期を再現し、漁夫の利ゲットなるでしょうか。

当時より政治家が劣化している事が大きな懸念材料ではありますが(涙)。

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保護主義を振りかざすと国としての信用を損なってしまいます。

あの時は大変でしたね。

米国株・日本株。前に書いた記事です。

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