みずほリサーチ&テクノロジーズが発表したFIREに関するレポートがニュースになってました。
「結婚しないFIRE願望の若者」が人手不足を“超加速”する? 大胆で緻密なリポートが話題(ABEMA TIMES)
FIREのせいで人手不足が起こってるかのようなタイトルだったので、またFIRE叩かれとんのか…と思いつつレポートまで読みました。
結果、レポート自体はわりと客観的な内容です。
以下、まとめと、思った事です。
レポートの概要
レポートでは、まず単身世帯の増加について書かれています。
日本の人口は減少傾向なものの、単身者の割合は増えるので、単身世帯の数は2040年まで増加傾向なようです。
そして、単身世帯は以下の傾向があるとしています。
・子育て費用(3000万円?)が必要ない
・遺産を残す動機が無い(引き継ぐ子どもがいないため)
すると、人生を通じてそこまで稼ぐ必要がなくなり、FIRE願望が生じやすくなるだろうとの事。
そして、単身世帯の増加と共にFIRE願望者も増加し、人手不足、ひいてはインフレを加速する可能性があるとの事。
人手不足が深刻化すれば、社会の崩壊にもつながりうると。
FIREは社会を変えるほど広がるか?
FIREが人手不足やインフレを引き起こすほど広がるかですが、筆者はその可能性は低いと考えます。
まず、FIREには何といっても一定以上の入金力が必要です。
現在、日本人全体の平均年収は414万円です。中央値はもっと低いでしょう。
年収400万円でFIREは不可能ではないですが、十分な額とまではいえないと思います。
すると、日本人の大半は、まず収入の点でFIREを目指す人が限られます。
また、収入が一定以上あったとしても、FIREを目指す人は少数派。
以前の記事で若年層の資産額が二極化していた事からも分かるように、資産運用を進めている人は少ないです。
筆者の周りでも、FIREを目指している友人は1人もいません。
したがって、FIREの概念がそれなりに浸透した現在以降でも、実際にFIREを実行する人は珍しい存在であり続けるでしょう。
それを反映してか、上記レポートでも、人手不足の主要因はあくまで人口減少・高齢化であるとしています。
そもそも人手不足は悪いこと?
レポートは、人手不足は社会を機能させなくする悪という前提で記載されています。
しかし、そもそも人手不足は社会にとって完全にマイナスでしょうか?
人件費が高騰するといいますが、それはすなわち給料がアップするという事です。
一方、たしかに人手が足りず社会全体のサービスが低下する事はあるでしょう。
しかし、24時間営業や翌日配送なんて絶対に必要な事でしょうか?
夜お店がやってなくても、1週間後に荷物が届いても、別に死ぬことはないでしょう。
給与水準が上がるなら、多少の不便は受け入れてもいいって人が大半だと思いますが。
一方、企業にとっては人件費が上がって大変。
しかし、それで利益が出ないなら、そこまで社会に必要とされてない会社だった、というだけの事かもしれません。
むしろ実質的に社会のコストであるゾンビ企業が淘汰されるのは良い事かと。
ある程度の人手不足は、今まで圧倒的に企業優勢だった就業環境を変える良い機会でもあります。
まとめ
以上、FIREが人手不足を加速させる旨のレポートについてでした。
FIREにそこまでの影響力はなく、そもそも人手不足も個人にとっては大きな問題では無いように思います。
FIRE民が多数派の未来は想像しにくいですが、生き方の選択肢の1つとして残っていったらいいですね。
どんな生き方があってもよく、各人が好きな人生を選択できる事が重要です。
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感想シリーズ。
子どもの有無でFIREのハードルに違いがあります。
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