高配当株に投資してみたいな。
でも、どうやって選んだら良いんだろう?
高配当株投資に興味があるものの、選び方が分からず悩んでいませんか?
いまや一般的となりつつあるインデックス投資では、既に分散された、定番の銘柄を選ぶだけです。
しかし、高配当株投資では、自分で銘柄を選び、分散されたポートフォリオを作る必要があります。
そこでこの記事では、以下の3点を解説します。
この記事を読むと、高配当株を選ぶ方法、高配当株ポートフォリオを作る方法を知る事ができます。
高配当株投資を始めたい方、興味がある方は、ぜひ参考にしてください!
高配当株選びの7つのチェック項目
高配当株を分析する際にどこをチェックすべきか?は、細かい部分を挙げればキリがありません。
そこで、主要な部分を網羅的にチェックできるよう、以下の7つのポイントをリストアップしました。
(長期投資に適する高配当株をチェックするためのポイントになります。)
①:配当利回り
まずは、配当利回り(年間配当金額を株価で割った数値)をチェックします。
配当利回りが1%を切るような銘柄は、そもそも高配当株投資の目的に反するからです。
一方で、あまりに高い配当利回りはリスクが高いです。
例えば、10%を超えるような利回りは、株価が大幅に下落し、企業の経営に問題がある可能性があるからです。
これを「配当利回りの罠」と呼びます。詳細は下記の記事です。
そのため、一般的に、3%〜6%程度の利回りが適度とされます。
②:増配率
配当利回りとセットで、増配率もチェックします。
たとえ現在の配当利回りが低くても、増配率が高ければ、買値に対する将来の利回りが向上するからです。
例えば、配当利回り4%、年間増配率1%であれば、買値に対する10年後の利回りは4.4%になります。
一方、配当利回り3%、年間増配率5%であれば、買値に対する10年後の利回りは4.9%になります。
このように、現在より将来の利回りを重視するなら、増配率を重視する戦略もありです。
一般的に、増配率が高いという事は成長性が高いので、株価の上昇も期待できます。
高配当株では、増配率は5%近くあればかなり優秀です。
③:配当性向
配当性向とは、企業の利益のうち、どの程度が配当として支払われているかを示す指標です。
一般的に、配当性向が50%〜70%程度であれば、配当が安定していると見なされます。
一方、例えば90%を超える場合、企業が利益を十分に再投資できず、将来的な配当が維持できなくなる可能性があります。
配当性向は、無理して配当を払ってないか?を見る尺度といえます。
④:財務健全性
企業の財務健全性も重要な基準です。
負債が多すぎる企業は、経済状況の悪化や金利上昇時に配当の支払いが難しくなる可能性があるからです。
財務状況を示す指標は多くありますが、例えば、以下の指標があります。
- フリーキャッシュフロー:営業活動で得られるキャッシュ(現金)が配当支払い後も十分に残っているかを示す。
⑤:業績の安定性
長期間安定した収益を上げている企業は、将来的にも安定した配当を維持する可能性が高いです。
過去5年から10年間の売上、利益、営業キャッシュフロー等の推移を確認し、安定もしくは成長している企業を選びます。
特に、景気に影響されにくい「ディフェンシブ株」(生活必需品、ヘルスケア等)は、業績が安定しており、安定配当を期待できます。
⑥:業種の特性
①~④のような指標は、業種によって傾向が異なり、違う業種を横並びに比較できない場合があります。
そこで、配当安定性の業種特性を理解することも重要です。
例えば、エネルギーや金融セクターは高配当株が多いですが、エネルギー価格や金利の変動で配当が大きく変動するリスクもあります。
一方、ヘルスケアや生活必需品セクターは、景気に左右されにくく、安定した配当を維持しやすい傾向があります。
上記を踏まえ、業種(セクター)を分散することで市場変動リスクの緩和が狙えます。
⑦:配当政策
企業が公表する配当政策をチェックすることも有益です。
配当方針に「安定した配当の維持」や「連続増配を目指す」等の明確な目標が示されていれば、配当への優先度が高いと考えられます。
①~④のような配当の支払い能力に加え、実際に配当を支払うか?という経営姿勢も、最終的な配当金に影響を与えます。
⑧:過去の配当実績
①~⑥の配当支払いの前提となる情報に加え、最後に実際の配当実績を確認します。
過去の実績は未来を保証するものではありませんが、信頼性をはかる一定の基準にはなります。
特に、10~20年以上連続して増配を続けていれば、安定したキャッシュフローと持続的な成長を示してきた証拠です。
「配当貴族」や「配当王」と呼ばれる銘柄はこの点で優れています。
分散された高配当株ポートフォリオの作り方
投資する銘柄を選んだら、同様に他の銘柄も選び、複数の銘柄でポートフォリオを作成します。
個別株の場合、ETF等と違って複数の企業に分散された投資商品ではないため、その会社固有の業績不振リスクがあるからです。
具体的には、以下の観点でポートフォリオを作成します。
①銘柄数を増やす
まずはポートフォリオを構築するため、銘柄数を増やすことを考えます。
銘柄数を増やすと分散効果は高まりますが、増やし過ぎてもあまり効果は変わらず、手間ばかりかかる可能性があります。
そのため、一般的には10~20銘柄に分散することが推奨されます。
ただし、特に面倒でなければ、銘柄数が多すぎる分に困る事は少ないと思います。
始めは10銘柄くらいから始めて、段々欲しいものを買い足していってもいいでしょう。
②業種(セクター)を分散する
ポートフォリオの分散を考える際、最も重要なのが業種(セクター)の分散です。
同じ業種の銘柄は、市場・経済動向に対し似たような影響を受けるため、似たような値動きをする事が多いからです。
つまり、同じ業種に集中投資すると、たとえ銘柄数が多くても分散効果が得られにくいです。
そのため、なるべく幅広い業種から銘柄を選定することが望ましいといえます。
例えば、米国株には、以下の11セクターが存在します。
テクノロジー、金融、電気通信、一般消費財、生活必需品、資本財、ヘルスケア、不動産、エネルギー、公共事業、素材
特に、長期投資が前提のため、不景気に強い生活必需品、ヘルスケア、公共事業セクターの比率は厚めにするのがお勧めです。
③地域を分散する
一国に集中投資するのが気になる場合、地域の分散も意識してもよいかもしれません。
地域ごとの経済状況や政策リスクを分散できる可能性があります。
例えば、米国株、日本株、欧州株、アジア株等の分散が考えられます。
また、例えば米国株と日本株に投資すれば、ドル円の為替の影響緩和にもつながります。
④配当利回りを分散する
7つのチェックポイントを通過した銘柄の中でも、やはり物によって安定感の高低はあります。
例えば、いわゆるタバコ株は比較的優良かつ高配当ではありますが、法規制リスクや成長性への疑問が常に付きまといます。
このように、高利回り銘柄だけで固めるとリスクが増す可能性もあるため、安定感を重視するなら利回りのバランスを考慮することも重要です。
すなわち、高利回りの株と、やや利回りの低い株を組み合わせる事が考えられます。
⑤REIT(リート)を加えるか検討する
最後はおまけ程度ですが、REIT(リート)をポートフォリオに加える手もあります。
リートとは、投資家から集めたお金を不動産に投資し、賃貸収入や売却益を投資家に分配する不動産投資信託のことです。
リートは、一般に株式市場と異なる値動きをするため、加えることで分散効果を高められます。
例えば、日本ビルファンド投資法人、ジャパンリアルエステイト投資法人等が日本のリートとして挙げられます。
人気の高配当株の具体例
以上を踏まえた上で、米国株と日本株で人気の高配当株の例を挙げます。
あくまでここ数十年の傾向から導かれる優良株であり、確実に将来を保証するものではない点はご了承ください。
各銘柄の詳細はこちらです。
各銘柄の詳細はこちらです。
まとめ
以上、高配当株選びのチェック項目、高配当株ポートフォリオの作り方でした。
細かく注意点は書きましたが、始めから全て満たした完璧なポートフォリオを作る必要はありません。
そもそも、万人に共通の完璧なポートフォリオなどありません。
自分の状況に合わせた形でスタートし、状況に応じて日々改良を重ねるものだと思います。
そのための一助としてご活用いただけたら幸いです。
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筆者が高配当株投資等に乗り換えた理由。
配当利回りの罠について。
高配当株は逆張り投資と好相性です。
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