最近、新NISAの影響もあり、投資が一般的になりつつあると感じます。
そんな中、よく耳にする言説が「分散投資が絶対正解!分散するほど良い!」というもの。
間違いなく分散投資は有用です。特に、初心者の方に対するアドバイスとして重要な点だと思います。
ただ、勢い余って、分散投資は万人にベストな不変の真理として喧伝されるのは、少し行き過ぎにも感じます。
個人的には、分散投資か集中投資かはどこまでリスクをとってリターンを狙うかの程度の問題であって、何が正解かは人によると考えるからです。
以下、説明します。
ウォーレン・バフェットのポートフォリオ
上記は、世界一の株式投資家ウォーレン・バフェットがCEOを務める投資会社、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオです(2020年12月末時点)。
ぱっと見た感想はいかがでしょう?
分散はしている。だけど銘柄によって比率がかなり違う。特にアップルの割合が大きいなあ、と思ったのではないでしょうか。
このポートフォリオは、分散投資を基本としつつも、資産の大半は一握りの銘柄に割いている、と言えると思います。要するに集中投資です。
このようにバフェット氏は、集中投資によって過去19.4%という市場を大きく上回るリターンを叩きだしています。
つまり、平均を超える際立ったリターンを得るには、リスクを負った集中投資が必要です。
もっとも、バフェット氏はその慧眼によってリスクを軽減しているので、素人がリスクを負って集中投資するのとは訳が違うでしょう。
S&P5のリターン
(出所:INTELLIGENT INVESTOR)
次に、直近で話題になった話として、S&P5のリターンを紹介します。
S&P5とは、アップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、アルファベット/グーグル(GOOG)、メタ(META)、マイクロソフト(MSFT)から構成される5種の銘柄を指します。
上のグラフの通り、S&P5のリターンは、米国を代表する500社(S&P500)から上記5社を抜いた「S&P495」のリターンを圧倒しています。
つまり、もちろん結果論ですが、指数全体に分散して投資するより、上記5社に集中して投資した方が圧倒的に資産が増えた、ということが理解できます(これからもそうだとは限りません)。
このことから、分散投資は大負けするリスクを軽減できる一方、大勝ちするチャンスを捨てている、という見方もできます。
とはいえ、S&P5の例はあくまで結果論です。
集中投資は当たれば大きい分、外れたときのダメージも大きいので、やはり万人には勧められないのは事実です。
集中投資には、知識、適性、センス、特に経験など、様々な要素が必要です(一例:筆者の義母)。
分散投資か、集中投資か
上述の通り、分散投資か集中投資かの選択は、どこまでリスクをとってリターンを狙うかの選択の問題だと考えます。
すると、分散投資すべきか、集中投資すべきかは投資の目的により異なるといえます。
分散投資の一例として、最もポピュラーな上場投資信託の1つであるVTI(バンガード・トータル・ストックマーケットETF)の過去20年のトータルリターンは、10.0%です。
これだけのリターンがあれば、毎月10万円の積み立てで10年後に2000万、20年後に7200万となる計算です(税金考慮せず)。毎月5万円の積み立てだと、10年後に1000万、20年後に3600万の計算です。
すると、投資期間が長くとれる老後資金目的の場合、一般的な分散投資のリターンで十分という計算になります。
一方、筆者のように、なるべく早く経済的自立(FI)を獲得したい場合など、投資期間が短い場合は、よりリターンを狙った集中投資も選択肢に入ってくると考えます。
実際、筆者は上記目的に対応して、集中投資(不動産投資)を行っています。
まとめ
まとめると、分散投資か集中投資かの選択は、どこまでリスクをとってリターンを狙うかの選択の問題だと考えます。
そのため、全員にとって分散投資をすればするほど良いというものではなく、各々の目的に応じて適切な分散度合いを選択していけばいいと思います。
また、投資を集中させるか分散させるかはリスクの一要因に過ぎません。
集中投資でもしっかり勉強すればリスクを回避する確率は上げられますし、分散投資でも盲目的に投資すれば痛い目に合う可能性もあります。
何も知らずに資金をつっこむのが一番のリスクです。
投資は、必ず勉強しながら、自分なりの考えを持って行うことをオススメします。
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