一時上昇に転じていますが、日本株は全体として下落局面ですね。
ところで今回の件で、改めて資産取り崩し型のFIREは難しいなと感じました。
「資産取り崩し型」とは、配当金等のインカムゲインを重視せず、資産を増やした後に、資産を取り崩して生活費にあてていくスタイルのFIREと今回定義します。
配当にこだわらない場合、一般に、株式投資のトータルリターンを向上できるメリットがあります。
しかし、実際にはこのタイプのFIRE・セミリタイアの実践は難しいと考えます。
以下、説明します。
高配当株はトータルリターンに劣る傾向
一般に、高配当株は得られる配当金が高い一方、トータルリターンに劣る傾向があります。
配当金に優れる一方、配当金と値上がり益の合計には劣るということです。
これは、以下のETF(上場投資信託)の5年トータルリターンの比較からも明らかです(2024年8月6日時点)。
<米国全株式ETF>
VTI トータルリターン:13.72% 配当利回り:1.49%
<米国高配当株式ETF>
VYM トータルリターン:10.29% 配当利回り:3.47%
高配当株のトータルリターンが劣る理由は、例えば、以下が挙げられます。
・基本的に高配当を出す企業は成熟しており、成長性に乏しい
・値上がりによる含み益は非課税な一方、配当金には課税される
以上から、インカムゲイン(配当金)を追わず、トータルリターンを重視する方が、一見FIRE・セミリタイアにとっても良いように思えます。
「資産取り崩し型」FIREのデメリット
トータルリターンを重視した投資を行い、配当金ではなく資産の取り崩しにより生活する場合、決定的なデメリットがあります。
それは、株価の下落局面で収入が無く、一方的に資産が減るだけの状況になることです。
正確には、下落局面でも株を売れば生活費は捻出できますが、あまり心地の良いものではないでしょう。
上記の状況は、後で株価は戻ると分かっていても辛い状態だと思います。
今回の暴落で、いくらか持っている自分の日本株資産の下落を目の当たりにし、もっと持っていたら、高配当株でなかったら、と考えると恐ろしくなってしまいました。
グロース株(成長株)の投資にも何度か挑戦したことがありますが、配当が無いと、下落局面でこれは一体何の時間だろう?って思ってしまうんですよね。
株は持っているけど、配当は無い、株価は下がる、何も生まない時間。
その点、高配当株なら、配当金が得られるので、持つだけでも意味を持ちます。
インカムゲイン型のFIREが無難
以上から、鋼のメンタルでもない限り、「資産取り崩し型」のFIREは実践が難しいと思います。
トータルリターン重視の投資を行うにしろ、FIRE・セミリタイアが見えてきた段階で、インカムゲインを重視した投資への移行が必要になるのではないでしょうか。
なので一般解としては、配当金にしろ家賃収入にしろ、インカムゲインで生活するFIRE・セミリタイアをお勧めします。
また、インカムゲインは、上下動が激しいキャピタルゲインと比べ、基本的に積み上げが可能です。
一歩一歩不労所得が積みあがっていくのは、投資を継続する上でも好影響だと思います。
特に、長期投資は市場に居座り続けるのが最大のコツともいえますので、インカムゲインを重視した投資と相性がいいでしょう。
まとめ
以上、トータルリターンを重視した投資は理論上優れるものの、「資産取り崩し型」でのFIREは実践が難しい点を説明しました。
特に鋼のメンタルでもない限り、インカムゲインで生活費をまかなうスタイルのFIRE・セミリタイアがお勧めです。
筆者も、不動産投資の家賃収入を中心としつつ、株式は高配当株に集中して投資しています。
インカムゲインがあると、収入を得つつ適切な売却時期をじっくり探れるのがいいですね。
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