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【脱・高配当の罠】高配当×増配株の選び方

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こんにちは、あらおです。

定期的に配当がもらえる高配当株投資、いいですよね。

私自身も、キャッシュフローを積み上げる観点から、高配当株投資を実践しています。

ただし、高配当株は注意も必要で、あまり高配当過ぎると逆に減配を食らい、痛い目をみる事もしばしばです。

いわゆる「高配当の罠」という現象で、私も過去何度かくらった事があります。

そのような経験から、今は業績の安定感もあり、増配余力も十分な高配当株を好むようになりました。いわば、高配当×増配株

銘柄によって、市況によって、どの程度の高配当を求めるかはまちまちですが、「高配当」と「増配」という2軸で銘柄を見るようにはしています。

このうち「高配当」の部分は利回りを見ればいいので良いとして、今回は「増配」の部分について自分なりの基準をまとめてみました。

個人的に、細かい指標を挙げればキリがなく、時間ばかりかかって実用的ではないと思っています。

そのため、基準自体はするべく簡素な形で考えています。以下、高配当株の増配力を評価する5つのポイントです。

ポイント①:営業キャッシュフローの推移

まず、最も重要なのは営業キャッシュフローの推移だと考えています。

結局のところ、配当は会計上の損益ではなく、手元の現金から支払われるためです。

堅調に営業キャッシュフローが推移していれば、手元の現金の創出能力が担保され、持続的な増配の前提条件が整うことになります。

実際、配当成長率の予測要因を分析したワシントン大学の論文によれば、キャッシュフローの拡大が将来の持続的な増配の主因であることが実証されていますDividend Growth, Cash Flow, and Discount Rate News

営業キャッシュフローの重要性について、ポイントは以下の3点です。

  • 配当原資の「実体」を担保する: 当期純利益が黒字でも、売買代金の未回収(売掛金の増加)などがあると手元現金は増えません。営業CFが潤沢であってはじめて、増配に必要な現金の支払能力が確保されます。
  • ビジネスモデルの「稼ぐ力」を示す: 資産売却などの一時的な利益とは異なり、営業CFは本業で日常的に現金を生み出す力を示します。持続的な営業CFの拡大こそが、将来にわたる増配の原資となります。
  • 減配リスクを防ぐ「安全弁」: 営業CFから設備投資費などを差し引いたフリーキャッシュフロー(FCF)に余力があれば、一時的に利益が低下しても減配を避け、増配を継続できます。

ポイント②:EPS成長率

意味合いとしては営業キャッシュフローの推移と被るところもありますが、EPS(1株あたり純利益)成長率も重要な指標となり得ます。

例えば、企業の配当決定要因を実証分析したロングウッド大学の論文によれば、高いEPS成長率を持つ企業ほど、配当額を引き上げるキャパシティが有意に拡大することがデータで証明されていますWhat Factors Motivate the Corporate Dividend Decision?

実務的には、キャッシュフローの観点とともに、EPSという利益の観点からも見ていくという形になるでしょうか。

EPS成長率の重要性について、ポイントは以下の3点です。

  • 増配の上限を押し広げる: 配当性向を引き上げる形の増配は、いずれ100%という限界値が来ます。配当性向を無理に引き上げず増配を続けるには、原資となるEPSそのものの拡大が不可欠です。
  • 配当成長率はEPS成長率に収束する: 長期で見ると、企業の配当の伸び率はEPSの成長率とほぼ同等になります。EPSが年5%成長していれば、無理なく年5%の増配を継続できます。
  • 業績悪化時の減配を防ぐ: EPSが右肩上がりで成長している企業は、一時的な景気後退で利益が落ち込んでも配当の維持・増配が容易ですが、EPSが停滞している企業の増配は配当性向を圧迫し、最終的に減配リスクへ直結します。

ポイント③:配当政策

①②は増配の「能力」の部分の話でしたが、能力がある前提で、次に増配の「意志」も重要になってきます。

具体的には、企業の配当政策へのコミットメントです。能力と意志が揃って、はじめて増配につながるからです。

実際、配当政策を分析したハース・ビジネススクールの論文によれば、「継続的な増配方針」を公式に打ち出した企業は、その宣言を破った際の市場からのペナルティが極めて大きいため、将来にわたり増配を継続する規律が強く働くことがデータで証明されていますPrice Reactions to Dividend Initiations and Omissions: Overreaction or Underreaction?

配当政策の重要性について、ポイントは以下の3点です。

  • 減配に対する「強いペナルティ構造」が生まれる: 公表した配当方針を破って減配・据え置きを行うと、投資家からの不信感により株価が暴落するリスクを負います。このため、企業は設備投資や他のコストを削ってでも増配を優先する強いインセンティブが働きます。
  • 一時的な業績悪化時も増配・配当維持が期待できる: 累進配当やDOE(株主資本配当率)を掲げている企業は、単年度の純利益が大きく下がった場合でも、過去の蓄積(純資産)やキャッシュを取り崩して方針通りの配当を実行します。
  • 将来の事業見通しに対する「証拠」: 業績に自信がない企業は、減配ペナルティを恐れて安易に宣言を出せません。明確な方針を掲げられること自体が、経営陣が「今後も成長・キャッシュフローを維持できる」と確信している強力な証拠となります。

ポイント④:配当性向の余裕度

増配する方法としては、利益成長と、配当性向を上げるという2つの方法があると思います。

このうち配当性向は、不況などで利益成長が望めない場合に、どれだけ増配できるかのカギを握る指標です。

すなわち、配当性向の余裕度は、将来にわたる増配の「安全性」と「継続のしやすさ」を担保するバッファーといえます。

実際、シカゴ大学の論文によれば、配当性向が低く「余裕度」が大きい企業ほど、将来的な増配の柔軟性と余力が格段に高く、業績ショック時にも減配を回避して増配ペースを維持しやすい傾向が実証されていますDisappearing Dividends: Changing Firm Characteristics or Lower Propensity to Pay?

配当性向の余裕度の重要性について、ポイントは以下の2点です。

  • 業績下振れ時の「吸収材」: 配当性向が30%程度と低い企業は、不況等で利益が半減しても配当性向を60%に引き上げることで減配を回避し、さらには増配すら維持できます。一方で配当性向が80%超の企業は、わずかな減益が即「減配」につながります。
  • 将来の設備投資と増配の両立が可能に: 配当に利益を回しすぎていないため、残りの資金を将来の成長投資(R&Dや設備投資)に回せます。その投資が将来のEPS成長を生み、さらなる増配へとつながる好循環が生まれます。

ポイント⑤:営業利益率の推移

①~④の背景となる指標として、営業利益率の推移も注目に値すると考えます。

営業利益率はビジネスモデルの強さや競合に対する優位性を示す指標のため、これを高水準で保つことで構造的に現金を生み出しやすくなるからです。

実際、コロンビア大学の論文によれば、営業利益率が高い企業ほど景気変動に対する耐性が強く、長期にわたり持続的なフリーキャッシュフローを創出して増配を維持・拡大できることが財務データから証明されていますRatio Analysis and Equity Valuation: From Research to Practice

営業利益率の重要性について、ポイントは以下の3点です。

  • コスト高に対する「価格転嫁力」を示す: 営業利益率が高い企業は、原材料費や人件費が沸騰しても価格転嫁できる強い商品・サービスを持っています。コスト増で利益が削られにくいため、増配の原資を維持できます。
  • 業績悪化時でも赤字に転落しにくい: 薄利多売の企業は、売上が少し落ち込むだけで赤字に転落し、即座に減配へ追い込まれます。一方、高利益率の企業は利益の「厚み」があるため、景気後退期でも安定して利益を出し、増配・配当維持を継続できます。
  • 無駄なコストが少なく、現金を生み出しやすい: 営業利益率が高いビジネスは収益性が高いため、本業で稼いだ現金から必要な投資に回した後のフリーキャッシュフローが潤沢になります。これが無理のない増配につながります。

まとめ

以上、高配当株の増配力を評価する5つのポイントについてでした。

5つのポイントは下記の通りです。

  • 営業キャッシュフローの推移
  • EPS成長率
  • 配当政策
  • 配当性向の余裕度
  • 営業利益率の推移

上記とは別に、過去の増配実績も大いに参考にする指標ではありますが、過去は必ずしも未来を保証するものではありません。

上記のような指標を組み合わせて分析することで、業績の動向をつかみ、より将来の増配傾向を予想しやすくなるものと考えます。

普段から銘柄の増配傾向を把握していれば、いざ株価が下がった時に迷わず買い増しの判断ができて、高配当と増配力を両立できる形となります。

まあ毎回上手くいくわけではないですが、少しずつでも判断力を高め、良い投資をしたいものですね。

以上、少しでも参考になりましたら幸いです。

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